Mikuのコラム#2 You need help?

ケアンズに到着した日、見事な快晴であった。

エスプラネードという海沿いにあるプール施設はそれはとても綺麗な場所で、ランニングする方もいたりと朝に海沿いをランニングすることを幸福の一つとしていた私はあっという間に心をくすぐられた。

 

到着初日にシェアハウスを二つ下見する約束をしていた。

一つめの下見へ余裕を持って出発したはずが、通り抜けできると思ったデパートがイースターでお休みで線路を越えるために迂回を余儀をなくされた。

気温30度以上、7kg弱のリュックを背負い、体力のない私は「急ごう!」という彼に早歩きよりも遅いスピードで「走っている」と言い張っていた。

途中に自動販売機で買って飲んだコカコーラの美味しさを生涯忘れることはないであろう。

 

約束時間ぴったりに到着し、下見開始。

エアコンの効いた室内は快適で綺麗で部屋も広かったが、湿気がとても気になった。それと有料の洗濯機。次の下見をしてから住むかどうかを決めることにした。

オーストラリア人のオーナーさんは郊外にあるシェアハウスまで走って来た私たちに驚き、市内まで車で送ると言ってくれた。

汗だくで向かう道中、既に帰りを憂えて絶望していた私にはこれ以上ない救いである。

オーナーさんに恩着せがましい感じは微塵もなく、家族を送りお届けるような感覚で送ってくれた。

もし住むことを決めたらいる場所まで迎えに行くとも言ってくれ、お別れをした。

私は英語力のなさでオーナーさんが何を話しているのかまるで分からなかった。全て彼の訳で聞いたのである。

親切への感謝を”Thank you”だけじゃなく自分の言葉で伝えられる彼が羨ましいと思った。

オーストラリアに来てから英語を勉強しようと思った自分の甘さと浅はかさを痛感した。

 

その夜、二つ目のシェアハウスの下見をした。

ギリギリになってしまった教訓を生かし早めに出発したので余裕で到着し、近くの路上に腰を下ろすことにした。

郊外のためあたりは真っ暗で人影もなし。体力も底をついていたので、彼とぼーっと座っていた。

すると一台の車が通り過ぎたがすぐに引き返して来て”You need help?”と女の人の声掛けがあった。

彼が大丈夫です!と伝えるとよかったと!安心したように車は去って行った。

迷子か途方にくれていると心配してくれたのだろう。

女性の声は本当に暖かくて家なき子でも一人ぼっちでもなかったが、私は泣きそうになった。

そしてやはり親切への感謝を”Thank you”でしか言えない現在の英語力をケアンズの星空の下でとても後悔した。